Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか
- 作者: Brian W. Fitzpatrick,Ben Collins-Sussman,及川卓也,角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2013/07/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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個人ではなくチームで、チーム内だけではなくチーム外への働きかけや向き合い方が書いてあった。
ナニハトモアレHRT
- 謙虚(Humility)
自分は全知全能ではないし、完璧ではない。常に自分を改善していく。 - 尊敬(Respect)
一緒に働く人を思いやり、その能力や功績を評価する。 - 信頼(Trust)
自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じる。
あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ
出典 : Team Geek (P. 15)
と、書かれるほど本書の中ではこの3つを原則として説明がされている。
自分自身の行動
この原則が守れるとどんなことができるのかの例がいくつか、書いてあるがその中で僕が気に入ったのは、 不完全なソフトウェアを見せても良いという謙虚さ、ユーザがその対応を称賛し、迅速な改善を望んでいるという信頼があれば、早い段階で失敗・学習・反復することができるということだ。
Googleの社是の一つに
失敗は選択肢の1つ
というものがあるらしい。失敗するような改善やリスクを取ることを尊敬して行動すれば、失敗も隠されないしみんなが試すことを積極的になってくれる。そして、失敗した後にそのままにするのではなくポストモーテムを残すことで、学習した結果何を学び、何を変更すべきかが共有できる。これはSRE本でも書かれていたことだ。ポストモーテムには以下の内容を含むと良いとのこと。
- 概要
- イベントのタイムライン
- イベントの根本原因
- 影響と損害の評価
- すぐに問題を解決するための行動一式
- 再発を防止するための行動一式
- 学習した教訓
チームとしての行動
チームとして働くためには、チームの文化を作ることが大切。
文化を作るためには、みんなの認識を合わせる必要がある。そのためにミッションステートメントを書くことをすすめている。決めるべきは、
- メールやチャット、ミーティングなど話し合いをする際のマナー
- バグ修正、テスト、リリースなどのルールを決め
- すべての履歴を文書として残す
- 合意ベースの決定をする
- 合意できなかった際の衝突解消プロセスも決めておく
文化ができれば、文化に沿った行動を求めることも、合ってないから直してほしいと言うこともできる。まずは、誰が見ても自分たちがなにを守るべきかがわかるようにすべきだと思った。
有害な人
ソフトウェア開発でもっとも難しいのは人間だからこそチームの中にしろ外にしろ有害な人はいる。本書の中では最終的にどうしようもなければ有害な人は追い出して良いと書いてある。
人を追い出すのではなく、振る舞いを追い出すことを試みて、それでもダメだったら最終手段として追い出しをするしかないと書いてある。
有害な人の例としては
- 他人の時間を尊重しない人
- エゴが強い人
- 何かを要求する人
- 未熟なコミュニケーションをする人
- パラノイアな人
- 完璧主義の人
が挙げられている。自分がいくつか当てはまる気がものすごいし、胸が痛くなりながら読んだ。徐々に直していかないとな。
チーム外
いかにうまくチーム内では上手く回って開発が上手にできていても、最終的にユーザが使ってくれなければ開発する意味がそもそもない。
以下の事に気をつけることによってユーザを忘れずにいることができる。
ユーザはソフトウェアの存在に気がついているか?
- ソフトウェアがどのように見えるか気を配る
- 第一印象に気をつける
- 小さく約束して、大きく届ける
- ソフトウェアがどのように見えるか気を配る
ユーザの期待に応えられているか?
- 簡単で、早く、使いやすく、止まらないようにする
- ハードルを下げる
- 利用を計測する
- 怠けない
- 簡単で、早く、使いやすく、止まらないようにする
ユーザとうまくやりとりができているか?
- ユーザとの友好的で長期的な関係を築く
- 見下さない
- 我慢する
- 信頼と歓びを創る
- ユーザとの友好的で長期的な関係を築く
まとめ
自分の行動からチームの作り方や社内政治について、更には、チーム外の人達との立ち回りとチームで開発をして価値を提供していくためのすべてが実体験を交えながら説明されている。
僕には、HRTが足りてないなと何回も心を痛めながら最後まで読み切った。
今後チームメンバーにしろユーザにしろHRTを取り入れた行動を心がけていきたいなと思う。
読書会すると面白そうな本だな…
世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法
- 作者: ピョートル・フェリクス・グジバチ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2018/08/20
- メディア: 単行本
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- 作者: トム・デマルコ,ティモシー・リスター,松原友夫,山浦恒央
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: Jr FrederickP.Brooks,Jr.,Frederick P. Brooks,滝沢徹,牧野祐子,富澤昇
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/04/22
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Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略
- 作者: Michael Lopp,夏目大
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
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リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)
- 作者: Dustin Boswell,Trevor Foucher,須藤功平,角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/06/23
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