監視に興味を持ってきたこの頃だったので、良いタイミングで出版されていたので読んでみた。
この本はSaaS型サーバ監視サービス「Mackerel」の入門書らしい。
らしいというのは、読んだ限りでは「Mackerel」の説明だけではなくサーバ監視に必要な知識や、インフラ管理に関するはてな社のエンジニア達が行っている実践的な内容が書いているからである。
サーバ監視に必要なシステムメトリックについては著者の一人である井上大輔さんが書いている以下のサイトにまとまっているとMackerel / NewRelic / Elasticsearch Seminarで教わった。 基本的なコマンドの説明と見るべきメトリック、原因などがまとまっているようだ。
また、第5章ではコード例付きで実際にmackerel-agent プラグインを作る手順が細かく書かれている。Go 言語による例だが詳しく書いてあるし、Go 言語はドキュメントも豊富にあるのでこの本片手に簡単にプラグインが作れそう。
第6章では各種ツール連携、第7章ではクラウド環境に対する「Mackerel」の使い方が書いてある。 連携するツールとしては、
- Fluentd
- Chef
- Capistrano
- Serverspec
クラウド環境としては、
が紹介されている。
他にも「mkr」という「Mackerel」の各種設定を取得・更新するためのCLI ツールの説明が書いてある。はてな社では 「Mackerel」をホスト管理としても使っている様で1000台規模のホストにロールをうまくラベリングして運用しているらしい。「Mackerel」を監視だけではなく他の用途にも使えるというのは良い知見になった。監視ツールとしては現状Datadog を使っているがホスト管理として「Mackerel」を使うというのもありだと思った。
最後に書いてある「Mackerel」のアーキテクチャについての付録が一番興味深く読めました。 「Mackerel」のシステム概要、サーバ構成、内部で使用しているミドルウェアの説明や今後移行していきたい箇所とその理由などが惜しみなく書いてあった。毎週新しい機能をリリースし続けている「Mackerel」らしさが良く分かる内容だった。
まとめ
「Mackerel」 入門となっているが実際はサーバ監視の基本、ホスト管理の仕方、「Mackerel」のようなサービスを運用するための方法やアーキテクチャ設計などはてな社の実践してきた内容、「Mackerel」をどれだけ大事にしているかが分かる本だった。サーバ監視だけではなくホスト管理などに興味ある人にもススメたいと思った。
おまけ
この本の著者の一人である松木雅幸さんが楽天テクノロジーカンファレンスではてなのインフラの歴史や運用哲学、それがどのようにSaaSの「Mackerel」をリリースするまでに至ったのか、そして、今後の構想についてお話してくださいます。ぜひ、リンクから参加申し込みをしていただければと思います。
Mackerelサーバ監視[実践]入門 [ 井上大輔 ] |