Regional Scrum Gathering Tokyo 2021 に参加して野中先生の発表を聞いた。その際に本が発売されているとのことで読むことにしたのだが今まで積読してしまっていた。せっかく連続しての休みを取ることができたので読み終えてみることにした。
目次は以下
第1章 序章-組織における知識-
第2章 知識と経営
第3章 組織的知識創造の理論
第4章 知識創造の実例
第5章 知識創造のためのマネジメントプロセス
第6章 新しい組織構造
第7章 グローバルな組織的知識創造
第8章 実践的提言と理論的発見
知識とはなにかから紹介されている。古代、中世、現代の哲学から知識とは何かを考えることから始まっている。知識と知恵の話などは面白かった。
暗黙知と形式知、知識スパイラルについては他でも勉強したことがあったが再度読んで思い出すことができた。
SECIモデルと呼ばれるようになった知識変換の4つのモードは以下。
- 共同化(Socialization)・・・経験を共有することによって暗黙知を想像するプロセス
- 表出化(Externalization)・・・暗黙知を明確なコンセプトに表すプロセス
- 連結化(Combination)・・・コンセプトを組み合わせて一つの知識体系を創り出すプロセス
- 内面化(Internalization)・・・形式知を暗黙知へ体化するプロセス
この知識変換をぐるぐる回すことによって使える知識を創造している。暗黙知を作って、共有して、形式知にし、形式知をくっつけることで新しい知識体系を作る、新しい知識体系を暗黙知に落とし込むことを繰り替えす。個人→チーム→チーム→個人と知識の受け渡しがされることを考えると一人でなにかを考えるだけではあまり良くないのかなと思っている。
最近は読んだ本の内容などの話を聞いてくれる方がいるのでその人と話しているときが一番表出化を行っている気がするのでとても助かっている。が、自分のチームでできるようにしたいなと思った。
理論だけではなく実査に行っている会社の紹介がいくつかされているのも面白かった。会社でどのように実施し成果を出しているのかという実践の話もかかれているので楽しく読めた。